ピーナッツは他のナッツ類に比べると、その価値が低くみられているように思います。
しかし、他のナッツ類にも引けを取らないほどの健康効果があります。
近年ではピーナッツの評価がスーパーフードとして見直されています。
その健康効果や、よくある誤解などを紹介します。
●ピーナッツは美容と健康の味方
ピーナッツは、良質なたんぱく質、食物繊維、ビタミンE、マグネシウムなどの栄養素が豊富に含まれている、スーパーフードとして知られています。
ピーナッツの健康効果は、以下のようなものが挙げられます。
- 筋肉の維持や増強に役立つ
- 腸内環境を整える
- 細胞の老化を防ぐ
- 美肌効果を高める
- 心臓病や脳卒中のリスクを減らす
- ダイエットに効果的
①筋肉の維持や増強に役立つ
ピーナッツには、良質なたんぱく質が豊富に含まれています。
たんぱく質は、筋肉の材料となる栄養素です。
ピーナッツを摂取することで、筋肉の維持や増強に役立ちます。
②腸内環境を整える
ピーナッツには、食物繊維が豊富に含まれています。
食物繊維は「水溶性食物繊維」と「不溶性食物繊維」の2種類に分けることができます。
ピーナッツに豊富に含まれるのは不溶性食物繊維です。
不溶性食物繊維は、水に溶けにくい食物繊維です。
腸内で水分を吸収して膨らみ、腸を刺激して蠕動運動を活発化させます。
これにより、便通を促進し、便秘の改善に効果的です。
③細胞の老化を防ぐ
ピーナッツには、ビタミンEやマグネシウムなどの抗酸化物質が豊富に含まれています。
抗酸化物質は、細胞を傷つける活性酸素を除去する効果があります。
活性酸素は、細胞の老化や病気の原因となる物質です。
抗酸化物質は体内で吸収され、細胞を傷つける活性酸素の働きを抑制します。
これにより、細胞の老化を防ぐ効果が期待できます。
具体的には、ピーナッツに含まれるビタミンEは細胞膜を保護する効果があります。
また、マグネシウムはDNAの損傷を防ぐ効果があります。
④美肌効果を高める
ピーナッツには、ビタミンEやレスベラトロールなどの抗酸化物質が豊富に含まれています。
レスベラトロールはポリフェノールの一種で、ピーナッツの薄皮に多く含まれており、コラーゲンの生成を促進する効果があります。
抗酸化物質は、細胞を傷つける活性酸素を除去する効果があります。
活性酸素は、肌の老化やシミ、シワなどの原因となる物質です。
ピーナッツを摂取することで、抗酸化物質の働きにより、肌の老化を防ぎ、シミやシワの予防が期待できます。
⑤心臓病や脳卒中のリスクを減らす
ピーナッツには、不飽和脂肪酸が豊富に含まれています。
不飽和脂肪酸は、LDLコレステロール(悪玉コレステロール)を下げ、HDLコレステロール(善玉コレステロール)を上げる効果があります。
これにより、心臓病や脳卒中のリスクを減らす効果が期待できます。
⑥ダイエットに効果的
ピーナッツは、良質なたんぱく質と食物繊維が豊富に含まれているため、ダイエットにも効果的です。
たんぱく質は食欲を抑える効果があり、食物繊維は満腹感を長続きさせる効果があります。
●ピーナッツのアブラは健康に良い!
誤解の一つに、「ピーナッツは脂質が多いから体に良くない」という話があります。
確かにピーナッツは約50%が脂質です。
しかし脂質は健康に必要な三大栄養素の一つです。
脂質はエネルギー源や細胞やホルモンの材料となり、さまざまな役割を担っています。
・2種類の脂質の特徴
脂質は、「飽和脂肪酸」と「不飽和脂肪酸」の2種類に分けられます。
どちらが良い悪いではなく、それぞれに役割があり、バランスが重要だといわれています。
ピーナッツに含まれる脂質のうち、約20%が飽和脂肪酸、約80%が不飽和脂肪酸です。
この脂質の割合バランスが良く、その結果、健康につながります。
・飽和脂肪酸
飽和脂肪酸は、常温で固形または半固形の性質を持ちます。
例としては、動物性の脂肪(ラードなど)や、乳製品(バター、チーズ、生クリームなど)、卵、ココナッツオイル、パーム油などがあります。
ピーナッツにも少し含まれています。
飽和脂肪酸は、エネルギー源として利用されますが、摂りすぎると、血中のLDLコレステロール(悪玉コレステロール)を増加させ、動脈硬化や心臓病のリスクを高める可能性があります。
・不飽和脂肪酸
不飽和脂肪酸は、常温で液体の性質を持ちます。
さらにオメガ9系、6系、3系に分けられます。
オメガ9系
オメガ9系は体内で生成できる脂肪酸であり、代表的なものはオレイン酸です。
オレイン酸は、血中の中性脂肪を下げる効果があります。
また、血管壁を柔らかくする効果もあり、動脈硬化の予防に役立ちます。
ピーナッツに含まれています。
オメガ6系
オメガ6系は体内で生成できない必須脂肪酸であり、代表的なものはリノール酸です。
リノール酸は、血中のLDLコレステロール(悪玉コレステロール)を下げ、HDLコレステロール(善玉コレステロール)を上げる効果があります。
これにより、心臓病や脳卒中のリスクを減らす効果が期待できます。
ピーナッツに含まれています。
オメガ3系
オメガ3系も体内で生成できない必須脂肪酸であり、代表的なものはDHAやEPA、αリノレン酸です。
これらには、脳の健康維持や炎症の抑制、視力の維持などの効果があります。
ピーナッツには含まれず、青魚やエゴマオイルなどに含まれています。
●ピーナッツの食べ方いろいろ
ピーナッツは色々と応用がききます。
バターピーナッツや焙煎したものを買ってきて食べるのもよいですが、ここでは他にもいくつかの食べ方を紹介します。
- ピーナッツバター
- ピーナッツご飯
- 酢ピーナッツ
・ピーナッツバター
市販品もありますが、自宅でも簡単に作れます。
ピーナッツをすり鉢やミキサーで潰して、砂糖と油を加えるだけです。
薄皮も一緒に入れるとポリフェノールが摂取できます。
潰し具合や材料の量で、粒の粗さ、甘さ、とろみが調節できます。
添加剤なしのピーナッツバターを味わってみるのも良いですよ。
トーストに塗ったり、アイスに添えたりして美味しく召し上がれます。
・ピーナッツご飯
ご飯を炊く時に、ピーナッツを入れて一緒に炊くるだけ。
炊き上がるとピーナッツはホクホクなっています。
軽く塩を振ると、ピーナッツの甘味が引き立ちます。
・酢ピーナッツ
酢ピーナッツには血圧を下げる効果があるといわれています。
ピーナッツをお酢に漬けて、2,3日冷蔵庫で保存するだけ。
黒酢やりんご酢、穀物酢などお好みで試してみると楽しいです。
ピーナッツは薄皮付きのまま使うとポリフェノールを摂取できます。
ピーナッツと一緒に野菜も入れて、ピクルスにしても良いですね。
●ピーナッツの素朴な疑問
ピーナッツについての素朴な疑問をまとめました。
- カロリーが高いから太るのでは?
- ピーナッツは落花生?
- 原産地は?
- 保存方法は?
・カロリーが高いから太るのでは?
日本標準食品成分表によると、焙煎したピーナッツ(可食部のみ)100gあたり585kcalです。
確かにカロリーは高めです。
しかしピーナッツに含まれる良質なたんぱく質は食欲を抑えます。
さらに食物繊維は満腹感を得られるため、過度に摂取することも防止します。
よって、食べ過ぎなければ太りませんし、食べ過ぎ予防もできるのがピーナッツです。
・ピーナッツは落花生?
ピーナッツの和名は落花生です。
花が咲いた後、花茎が地中に伸びて、実をつけます。
そのため、「落花生(らっかせい)」という名前がつきました。
・原産地は?
ピーナッツの原産地は、南米大陸のアンデス山脈です。
紀元前2500年頃の遺跡から、ピーナッツの殻が出土しており、古くから栽培されていたことが分かっています。
ピーナッツは、スペイン人によってヨーロッパに伝えられ、その後、世界中に広まりました。
日本には、江戸時代に中国から伝来しました。
・保存方法は?
ピーナッツの保存方法は、以下のとおりです。
殻付きピーナッツ
殻付きピーナッツは、直射日光が当たらない、風通しのよい場所で保存します。
冷蔵庫で保存すると、風味が落ちるため、常温保存がおすすめです。
保存期間は、常温で約3日、冷蔵庫で約1週間です。
殻なしピーナッツ
殻なしピーナッツは、空気に触れると酸化しやすくなるため、密閉容器に入れて保存します。
冷蔵庫や冷凍庫で保存すると、風味が落ちにくくなります。
冷蔵庫で保存すると、約1ヶ月、冷凍庫で保存すると約1年保存できます。
炒りピーナッツ
炒りピーナッツは、空気に触れると酸化しやすくなるため、密閉容器に入れて保存します。
冷蔵庫や冷凍庫で保存すると、風味が落ちにくくなります。
冷蔵庫で保存すると、約1ヶ月、冷凍庫で保存すると約1年保存できます。
ピーナッツは他のナッツ類よりも安価なため、気軽に購入できます。
ピーナッツが一袋あれば、いろいろな食べ方ができて、料理のアレンジに使えます。
さらに健康や美容にも効果があることが嬉しいですね。
スーパーフードとしてのピーナッツを生活に取り入れてみてはいかがでしょうか。